サリンジャーのことば
2020/3/12
なかGです
不意打ちを食らったみたいに
突然胸に刺さるようなフレーズが現われる小説は
次の一文が楽しみになるのでどんどん進められる
本にまったく興味がなかったあの頃でも知っていた
『ライ麦畑をつかまえて』
J・D・サリンジャー
お客さんとの会話がきっかけで
いまになってようやく読んでいます
冒頭、
「もしも君が、ほんとにこの話を聞きたいんならだな、
まず、僕がどこで生れたかとか、
チャチな幼年時代はどんなだったかとか、
僕が生れる前に両親は何をやってたかとか、
そういった《デヴィッド・カッパーフィールド》式のくだんないことから
聞きたがるかもしれないけどさ、
実をいうと僕は、そんなことはしゃべりたくないんだな」
まず、僕がどこで生れたかとか、
チャチな幼年時代はどんなだったかとか、
僕が生れる前に両親は何をやってたかとか、
そういった《デヴィッド・カッパーフィールド》式のくだんないことから
聞きたがるかもしれないけどさ、
実をいうと僕は、そんなことはしゃべりたくないんだな」
という始まりから、主人公主観の会話調ですすんでいく本編
サリンジャーの作品は名言集があるくらい他の作品でも
文中に印象的な言葉が多いです
ふと思ったことがあって、でも言葉に出すほどでもないようなこと
たぶんすぐ忘れてしまっているようなこと
だからどこかで共感もするのかと思います。
おかしなもんだけど、誰にもわかんないようなことを言いさえすれば、
相手はたいてい、こっちがやってもらいたいことをやってくれるもんさ
相手はたいてい、こっちがやってもらいたいことをやってくれるもんさ
― 「ライ麦畑でつかまえて」
いろんなことを覚えて、鞭のように鋭い切れ者になったって、
それで仕合せになれなかったら、一体何の甲斐があるんだろ
それで仕合せになれなかったら、一体何の甲斐があるんだろ
― 「フラニーとゾーイー」
素敵なことばをサラリと言える人ってなんかいいですよね~
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