繊細な文字
2018/3/21
なかGです
最近読んでいる本
『残像に口紅を』 筒井康隆
背表紙
「あ」が消えると、「愛」も「あなた」もなくなった。
ひとつ、またひとつと言葉が失われてゆく世界で、執筆し、飲食し、交情する小説家。
究極の実験的長篇。
― ― ― ― ―
この世から文字が消えていく
作り上げた"虚構"の中
主人公の身の周りで起きる変化を記録していく。
主人公の妻"粂子"の「め」が消えると
そこに透けて見えているのは"粂子"の容姿をした"妻"
"粂子"本来の個性はなく、主人公が思い描く"理想の妻"になってまだ透けて見える
たった一文字が消えるだけで実在するものだけでなく
現象や心理も消えていく
世界でも圧倒的に表現の多い日本語だからこそ
表すことのできる心中がとても繊細なものに感じます
かといって、
表現の少ない英語圏ではまた違った良さがあって
ロマンチックな言い換えが上手で
歌詞の和訳なんかを読んでるとなるほどな~って思うときもある。
きっと残りのもう半分くらい
そんなことが頭をよぎりながら
文字や言葉についてどんどん奥深ーく考えながら読んじゃいそうです
これはオモシロイ~~
定休日 ・・・3/26・27